身体の小掃除のススメ
2018/03/28(Wed)22:48:53
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習い事をしている人は多いと思うが、ヨガを習い事の一つとして、 割と長い間に渡り、スタジオやヨガ教室に通っている人は、 私の教室の生徒さんや他の所でもかなり多く見かけるようになった。 長年、その人の身体を観察していると、特徴的なクセが悪い方に出ていることに ある日気づく時がある。そういう人はもう長いこと通っているだけあってヨガに対する心構えはできている。 だのに、肉体の方の構えが崩れているのはどうしてか? 理由はいろいろだろう。 生活環境に変化があったり、食べ方の偏りや変化、思考の偏り、加齢による体力の低下、、、 理由を挙げればもっとたくさんあるかもしれない。
で、その人の身体を見てそれに気付いてしまった時。 あまりにも気になる時はタイミングをはかって声をかけたりもするが、 大抵は、まぁちょっと様子見るか、、となることが多く、 あまり放っておくとやはり、腕が上がらないとか、腰痛悪化などの体調不良により遠のいてしまう人がでてくる。 そして、そういう人はとても良い人が多くて(というかヨガが好きで通うようになると、約束を守る人になるのだと思う) レッスンを休む時に「家で少しずつヨガやりながら、体調が戻ったら復帰します」と仰る。 私はというと、 「あぁ、、やっぱり気になった時にもう少し伝えておくべきだった」と反省するのである。 床に座って談笑している時の姿勢や、帰っていくその後ろ姿にふと、何か感じた時は それを見過ごさず、手を入れて本気で向き合わないと人の身体というのは簡単に悪癖の方へ赴いてしまう。 休むことはとても大事なので、もちろん休んでほしい。 但、家でできるのであれば、できる範囲で実践はしていてほしい。 たとえ簡単なストレッチでもやった方が命は喜ぶ。そこに差が生まれる。
先日もレッスン後に 「家だとこんなに動けないけど、レッスンだと最後まで頑張れるんです」という話を聞いた。 確かにそうなのである。 みんなでヨガを行うと「やらねば!」と、キツくても「できたわ!」と、 そして「シャバアサナ寝なかったわ!気持ちええ!」がうまいこと全身を巡回してやってくる。 家で風呂上がりなんかにヨガマット敷いてやってても、次第に集中力が切れ、 諦めとだるさが心の隙間に入り込んでくる。そして適当になるのが人の常。そんなもんです。 でも、それはそれ。 10分くらいで諦めちゃっても、捻りのポーズのまんま居眠りしててもやらないよりはいい。 私はこれを「身体の小掃除」と沢村貞子さんのエッセイから勝手に名付けておりまして。 ヨガに行く支度をして家を出て自分のレベルに合ったレッスンに参加するのは身体の中掃除。 じゃぁ大掃除はなんだよ?とツッコミが入りそうですが、 それは所謂、自分にとってのキツイやつ。後々の筋肉痛を愛おしく思う感覚のアレです。 1時間半もしくは2時間クラスで、しかも普段やってない動きやアーサナの連続だと もうわけわからんちん〜になるにつれ、かえって集中力が身につくので最後の瞑想やシャバアサナが 本来のリラックスした自分に戻れて気持ちよくなる。これを私は大掃除と思ってます。 そう思うと、しばらくヨガ教室から離れていても小掃除を続けていさえすれば、 いつかまた、大掃除もやってみっかなっと思う日が来ると思います。 身に覚えのあるアナタ、いつでも門戸は開いてますよ。お待ちしております。
最後に小掃除の好きな部分、ちょこっと引用しておきます。
“小掃除というのは、汚れていて気持が悪いと思ったとき、いつでもチョイチョイする掃除のこと。 夜、仕事から帰ったとき、格子戸に夕立のハネがあがっているのを見れば、 すぐその足で雑巾を二、三本しぼってきて拭いておくーーというわけである。 煮ものの砂糖を計る軽量器に、指あとがついていると気がつけば、早速濡れぶきんでこすっておく。 夕食のあと片づけの最後にはいつも、みがき砂をつけたスポンジで、ガス台、調理台の煮炊きのよごれをとっておく (どんなよごれもすぐなら楽にとれるけれど、時間がたつとイキが切れるーー母がそう言ったっけ……)。” ― 沢村貞子「中掃除・小掃除」『わたしの台所』光文社文庫
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